名義人指定調査

名義人指定調査

名義人指定調査(出願人指定調査)とは

競合企業や企業との取引の際に、同社の保有特許を確認する調査です。名義人が限定要素となり、簡単な調査にも思えますが、例えば、中小企業であれば代表者個人での出願、個人であれば発明者として他の企業の名義で過去の関連する出願が存在する場合もあるため、調査の目的により精査が必要です。最近では、商用データベースの辞書の発達で、社名変更、譲渡を考慮したり、関連企業を考慮することが比較的容易になっていますが、前者は、状況に応じて判断する必要があります。

外国企業・海外特許の調査の場合

外国企業の国内特許を調べる場合、代理人により表記の差を配慮する必要があります。また、海外特許を調べる場合には、同様の配慮がされるだけでなく、譲渡関係を把握することが精度の高い調査に結びつきます。

【精度の高い特許検索はどのようにして実施されるか】

●出願件数の少ない企業に対してその全体を把握する場合

 企業の履歴等を特許データベース以外で把握し、その情報を考慮して特許を調べます。通常の名義人指定調査です。

●出願件数の多い企業に対して、技術を限定して把握する場合~出願人指定×技術限定調査 

 上記と同様の手順になりますが、通常、名義人側も広めに捉え、技術側も広めに捉えてAND演算し、ノイズ部分を目視で除外します。例えば、日立製作所の電子商取引に関しての特許検索をご依頼された場合、調査プロセスとしては、以下の手順を試みます。

 表記の誤差を考慮した検索、及び資本系統が同一の企業を考慮した検索  例えば、「日立製作所」という出願人表記が全ての特許に対して正確に付与されていることはありません。このため、特に外国出願に至る調査を行いたい場合等は、確実性の高いワードのみを含む中間一致検索を行います。⇒AP=日立。AP=Hitachi  これにより、以下のように、国内では、日立キャピタル株式会社の出願が抽出されます。 ・特開2002-117264「電子商取引の仲介サーバーおよび仲介方法」  日立キャピタル株式会社  外国では、以下のような表記差がごく一般的に生じますので、これを全て考慮する必要があります。

HITACH, LTD. 15 HITACH. HARAMACHI. ELECTRIC. CO. 2 HITACH., LTD. 1 HITACHHI LTD. 1 HITACHI 35021 HITACHI , LTD. 5 HITACHI , LTD., 1 HITACHI ,LTD. 1 HITACHI – GE NUCLEAR ENERGY 1 HITACHI – LG DATA STORAGE 2 HITACHI – LG DATA STORAGE, INC. 1 HITACHI ADOBANSUTODEJITARU 0 HITACHI ADOBANSUTOSHISUTEMUZU 0 HITACHI ADVANCED DIGITAL 1 HITACHI ADVANCED DIGITAL INC 94 HITACHI ADVANCED DIGITAL, INC. 1 HITACHI ADVANCED SYST 3 HITACHI ADVANCED SYST KK  (注) 2000年頃の情報で現在とは異なります。

更に、技術限定のある場合は、単に「電子商取引」というキーワードだけでなく、ZECというコードを使用したり、G06F17/60,300等の国際分類・FI分類・Fターム分類の他、「電子的な商取引」といった記載を拾うために、「電子 AND 商」等のキーワードを使用します。一方で名義人の限定があるこの調査では、細かく検索式を立てるよりも、漏れを防止するためにG06F?の様な広い範囲で実施することもあり得ます。

最終的に検索結果となったリストには、対象外の特許出願が含まれますので、これを目視により丁寧に取り除いていきます。 弊社の調査部門では、上記のプロセスの何れかを省略する場合等には、ご依頼者の意見を聞きながら実施していきます。

【名義人指定調査】  20,000円(税抜)  ●出願件数の少ない企業に対してその全体を把握する場合

・名義人の所有権利の数等により、価格が変動します。